住宅営業には経験が必要。それはもう当たり前なんです。経験値によってしか導けないお客様がいるのも事実です。でもいつまでもそれだけではダメですよね？
例えば、アップルストアでは経験の浅いスタッフもたくさんいます。でも来店する方は、そこでスタッフと話して買うわけじゃないんですよ、その前にプロモーションはもう終わってる。
究極で言えば住宅もそういうのを目指さないといけない、と思ってます。

もちろん家を買うのにはこのくらいお金がかかるんだとか、例えばローンを組むためにはとか、そういうソフトの面ではやはり経験年数が必要です。権利関係のトラブルとかね、繊細なことも多いので。

ただ、ほとんどの人は別に大して問題はないんですよ。その場合は経験がない人が対応しても大丈夫なように、もう接客してる時点では買うことを決めているくらいの状況にできればと思ってます。

まずは見てもらったら気に入ってもらえる家を作ることですね。
だから、今回のモデルハウスは微細なところまでこだわり抜いてます。色々な好みのお客様がいますので、例えば完成見学会も参考にはなるんですけど、やはりそのお施主様の好みの家なんですよ。決して万人が好むものにはなっていなくて、それはある意味正しいんですけど見学会に来てくれたこれから家を建てようというお客様にはほとんど刺さらないってことも往々にしてあるんですよね。

なので、多くの方に見てもらうモデルハウスにはこれでもか、と詰め込みました。それこそ巾木ひとつ取っても滅多に使わないものを使ってます。あくまでトータルコーディネートとして見栄えがするもの、機能的に良いものを入れています。

お客様はじっくりと自分のペースで見てくれる。ダイニングのテーブルには細かいプライスリストを置いているんですけど、スマートモデルハウスに組み込まれているカメラでお客様の様子をモニタリングしていると、そのプライスリストをじっくりとかなり長い時間見ていかれる方が多いんですよね。

そして、そういった方はアンケートにもしっかり答えてくれることも多くて。その方が次の段階に進んだときにはかなり自分の中でイメージができていて、話が具体的に進みやすいんです。

営業もやりやすいですよね。
こういった次のアクションに繋げやすいことをもっと増やしていきたいですね。

1棟目では正直やり方がわからなかった。とにかく早く試してみたくて既存の中で一番見栄えの良い物件でやったんですよ。
こんなお客様が来るんだろうな、と予想を立てながらやったんですけど、もちろん予想通りの方も来ましたけど、意外と想定のど真ん中以外の人も来た。
そんなに広告も打ってなかったんですけど、それでも来てくれた人がいて、契約にもなった。

だから2棟目は最初から、設計段階から考えていきました。

でもやってみないと分からないことは今も多いです。
例えば、文言一つでも反応が大きく変わります。何度も頼人さんとも打ち合わせをして、LPの文言を変えたり、案内のメール文面を変えたりしていくことで急に予約が増えたりします。

これからも、まだまだできることはあると思っています。

無人のモデルハウスだからこそ、お客様だけで見るセルフ見学だからこそ出来ることがたくさんあると思っています。

具体的には、真似されちゃうからまだ言いませんけど(笑)、やっぱり来てくれた方が楽しんでくれること、住んだ時のイメージを膨らませてくれること、自分の家を持てばこういうことができるんですよ、みたいな想像をしてもらう。
色んなことができます。可能性はたくさんあります。そしてそれを実現する障害も極めて低いんです。だって対応する人間がいなくていいんですから。

そういったことをしていけば、他の人にも言いたくなったり、連れてきたりしたくなったりするんですよね。
そういう仕掛けをしていくことで話題にもなるでしょうし、人が集まってくると思います。

そしてそういったことを積み重ねたその先には、お客さまにとっても分かりやすい、営業にとってもやりやすい世界が待っているのではないかと思っています。

いま上手くいっている会社ですかね。
これまでのやり方である程度上手くいっているとしたら、セルフ見学を始めたら今までと違う属性の人がきます。単純にプラスになりますよね。

でも成功パターンができている会社って、他のことをやりたがらないじゃないですか。それはみんな一緒なんですけど、でもいま上手くいっているからといって、この先もずっと同じやり方が通用していくかは分からない。

実際に住宅業界全体が集客に苦しんでますよね。それは社会的な問題も絡んできますけど、やっぱりいつどう状況が変わるかは分からない。その時に別の手段を持っているかどうかでその先が大きく変わってきます。
だからこれ(セルフ見学)を持っていた方がいいんじゃないの？って思っています。

新しいことを始めるのにはそれなりに時間も労力もかかります。だから、上手くいっている時こそ次の手になり得ることを始めるべきだと思います。手遅れになる前に。